獣医内科アカデミー学術大会の抄録 2006年

小動物の肝疾患等におけるニカショウの有効性について

左向敏紀1)、谷口孝2)、芝常照3)、久山昌之4)、山内一男5)、
栗本善平6)、太田亮7)、長谷川承8)、本庄健男9)、奈良隆之10)、水谷尚1)、廣瀬昶1)

1)日本獣医生命科学大学、2)アニマルメディカルクリニック、3)芝動物病院、
4)久山獣医科病院、5)山内アニマルセンター、6)栗本動物病院、7)やよい動物病院、
8)アルマ動物病院、9)ヒマラヤン動物病院、10)奈良獣医科病院

 

  荷花掌Echevaria glaucaは景天科の常緑肉質の植物であり、中国最南部の広西バーマヤオ族自治県の中心よりさらに奥地の険しい山奥の岩肌にのみ自生している。なお、この地は太古の昔は海底にあったため、土質も大量のミネラルが含まれている。

  この荷花掌から有効エキスを抽出した動物用サプリメントである「Nikasyou Herb」を使用した。荷花掌は糖尿病犬を用いた実験により、投与することによりインスリン投与量の減量とともに肝機能の改善が認められた[1]。  このため、今回は肝機能障害を疑う症例、肝臓比護を目的とした症例に対し、「Nikasyou Herb」を投与しその効果について検討した。

【材料および方法】

 投与試験は犬と猫で行った。犬症例は、肝炎、肝障害、胆泥症、胆嚢炎、副腎皮質機能亢進症と診断された犬25例で、肝酵素の上昇を認めるか、肝臓保護の目的に投与された。猫症例は、糖尿病、口内炎、肝障害を疑う11症例で軽度から中等度のALT上昇を認められたものである。投与量は、体重10kgに対して、「Nikasyou Herb」を1包とした。投与期間は4週間とし出来る限り、2週間後および4週間後に採血を行い、血液検査を行った。一部の症例で長期投与による観察も行った。検査項目は、ALT、AST ,ALP,血糖値、総コレステロール、トリグリセライドとした。

【結果】

 試験開始時点の犬症例の肝酵素はばらつきが大きかった。投与前のALTが85IU以上の症例における平均値では、ALTで投与前値が328.1から2週間後102.4、4週間後94.8と低下した。ASTでは、投与前値が68.7から2週間後33.9、4週間後34.9と低下した。猫においても同様の低下が認められた。ALPには一定の変化が認められなかった。ALTの低下しにくい副腎皮質機能亢進症でも長期投与によりALTの低下が認められた。

【考察】

 犬猫においてALT,ASTの上昇している症例では、「Nikasyou Herb」が肝障害の軽減に有効と考えられた。

 1)左向敏紀、水谷尚、流石真美子、廣瀬昶. 糖尿病犬の血中グルコース濃度コントロールに対する荷花掌の効果. 獣医東洋医学会誌8,1-4 (2002)

 

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